船井 慎互(高33期)
12/16 男子の公立高校大会観戦のため刀根山高校に行ってきました。
予選リーグ(12/15)
天王寺 2―0 登美丘(25-22/25-11)
天王寺 2―0 布施(25-19/25-17)
中央トーナメント戦(12/16)
1回戦 天王寺 1―2 都島工業(25-22/25-20/25-13)
予選リーグは部別昇格の勢いそのままで突破した。
トーナメント戦の初戦の相手は都島工業。練習試合では勝ったことがない相手との事。
部別では怪我のため出場できなかった田中君がどこまでやってくれるかが楽しみだった。
都島工業の攻撃は、レフトからとセンターからのA、セミ(時間差)およびバックアタック。レフトからのアタックは対角からクロス方向が主で、ストレートに強打されることはほとんどなかった。ライトからの攻撃もほとんどなかった。平均身長では天王寺より低かったかと思われるが、それを補うスピードとパワーがあった。
Aに振られて天王寺のセンターブロッカーが遅れてブロックの間を抜かれたり、フェイントを落とされるということも多かった。
天王寺は両オープンエース(ウイング)、センターいずれも調子は良かったとは思うが、相手に攻撃されて大きく弾かれたボールをうまく速攻に繫げることができず、オープン主体の攻撃の中で相手の2枚ブロックに如何に対応するかということではなかったか。
荒川君は、相手のきっちりと2枚揃った高いセンターブロックの突破が難しいと判断するや、ストレート側でブロックアウトを取ったり、トスが乱れてネットに近づくとクロス側に叩く様に押し込むなど今日も冷静で老獪なプレーを見せてくれた。
田中君も相手センターブロッカーに苦しめられる。強気にブロック突破をしようと強打で攻め続けたが、力んでボールの抑えが聞かずにアウトにしたり、逆に落とし過ぎてネットに掛けたりとミートに不安定さが見られた。「まとも」に勝負し過ぎた様にも思う。フェイントを含め相手ブロックをむしろ有効に使うなどネット際のボールさばきを冷静に磨いていけばもっと良くなると思う。
ブロックの間をうまく抜いたとしてもそこに相手レシーバーが入っていれば、レシーブされてしまう。ブロックで弾かれてコースが変わったボールの方がレシーバーとしては厄介だと思う。
周りのプレーヤーも相手ブロックが何枚付いているかを声を出して知らせてやってほしい。天王寺はライトからの攻撃がある分、攻撃にも幅が生まれる。ガッツで前向きな田中君がキーマンとなる。
今日は、序盤サーブミスが多く慎重に行こうとしたとのことだが、サーブはスタートボールではなく攻撃ボールであることをしっかりと認識してほしい。慎重に行くとしても攻撃的なサーブはある。ネットすれすれに打ち込む。相手のレフトエースまたはサーブレが悪いプレーヤーをねらう。前衛を狙う。審判が笛と同時にすぐに打つなど戦略が必要。何も考えずにただ単に相手コート中央に高いボールを入れるのだけは避けなくてはいけない。
チャンスボールを与えてしまえば相手の速攻の餌食になり、何とかレシーブできてもまたチャンスボールを与えてしまえば再び相手からの攻撃を許してしまい防戦一方になってしまうことにもなる。
サーブは練習のようなリラックスした雰囲気ではなかなか磨けず、むしろ実戦で緊張した状態で場数を踏んでいくしか身に付けることができないのではないか。
また、ラリーになったら、荒川君、田中君にはもっとセンターからも攻撃させるべき。トスも短く低くできる分 安定するはずだし、相手ブロックも1枚になりやすく、なかなか抑えきることが困難になると思う。
2セット目は、序盤一進一退で進んだが、出耒君と米島君のAが決まり出した。出耒君が決めると全身で喜びを表現してチームを鼓舞する。チームも勢いづく。
ブロックでもレフトあるいはライトからの攻撃をしっかりと封じ込めた。
奥村キャプテンの強気の姿勢が垣間見えたケースもあった。米島君がセッターにパスを出してそのままAに入ろうとしたが、パスが乱れてネットに近く奥村君がジャンプしてワンハンドトス。Aだと思った相手ブロックをかわして何とレフトに持って行った。田中君のスパイクは残念ながらネットを超えなかったが、ボールコンタクトもきれいなナイストスだった。ホールディングを取られ一旦は審判に確認したが、すぐに頭を下げてプレーに戻った。攻めの姿勢も礼儀も素晴らしいシーンだった。その後、天王寺がペースを掴んでこのセットを取ることができた。
3セット目は序盤サーブレが乱されてずるずると点差をつけられる。
4-8で相手リードの状況からAを決められた後、頼みのエース荒川君のアタックがアウトになり4-10。出耒君がコート奥にAを押し込む様に決めて6-12にするも、相手のA+セミの時間差に対し米島君がブロックに吸い込まれて7-16。直後に田中君がライトからAを打ち込んだが、相手ブロックにシャットアウトされた。20点目は天王寺のサーブをしっかりと拾われノーブロックでAクイックを許してしまい、この時点で緊張の糸が切れた様に感じた。
12-21からAをおとりに荒川君がセミを仕掛けるも、相手ブロックに完全にマークされており2枚ブロックにシャットアウトされた。
最後は、逆に相手にA+セミの時間差を決められて敗れた。
サーブレについては、天王寺は伝統的に戦略としてセンタープレーヤーをサーブレに参加させないことが多いが、このことがむしろレシーバーの守備範囲の拡大につながりレシーブミスに繋がっている様にも思う。
米島君をサーブレ参加させないのもこうした戦略の表れなのだと思うが、攻撃とレシーブは別のものではなく一体だと思う。Aクイックとブロックだけに専念させるとレシーブに対する感覚が鈍ってしまうと思う。自分でセッターにパスを出して自らAに入るケースも何度かあったが、ぎこちなさを感じた。自らの好レシーブが攻撃に良い影響を与えることもある。
敗れはしたが、都島工業から始めて1セット奪えたことは、彼らの中では成長だったはずだ。ただし一旦サーブレが乱されるとずるずると失点をしてしまうので、離されてもすぐに挽回できるのだという強い気持ちで攻めてほしい。とにかくエースに上げたら何とかしてくれるのだと。ベストを尽くしてくれたと思いますが、接戦を勝っていくことでしか強くなれないと思うし、今日は勝てた相手だったと思います。
今後の成長を楽しみにしていますので頑張って下さい!
保護者の皆様、尾崎先生、向井先生お疲れ様でした。