女子の公立高校大会を見てきました

船井 慎互(高33期)

12/14 女子の公立高校大会観戦のため登美丘高校に行ってきました。

すべてフルセットまで持ち込みましたが、初日で敗退しました。

しかし、彼女たちに勝ちたいという気持ちが芽生えた試合でした。

天王寺 1vs2 八尾 (14-25/27-25/19-25)

天王寺 1vs2 山本 (23-25/26-24/23-25)

初戦の八尾戦の2セット目途中からの観戦となった。1セット目は八尾がとった。

今日は、リベロの津田さんが腕の負傷のため外れ、1年の金さんがセンター、岸部さんがライトに入ってリベロなしで戦うことになった。

八尾は秋の部別で1部から降格、山本、天王寺は共に2部から降格していた。

八尾の攻撃としては、両サイドからのオープン攻撃と平行、センターセミ、時折バックアタックやBクイックを使ってきた。ブロック、サーブも良く、強打を打てるスパイカーはいなかったが、よくボールをつないできた。

2セット目は、終始競った展開となった。松井さんはアタックがしっかりと打ち切れており調子は良かったと思う。センターからブロックをかわして両方向にきれいに打ち分けていた。セッターに手をポンポンと叩いてボールを呼ぶ姿や何度もガッツポーズをするシーンが見られたのも調子が良かったためだろう。センターで入った金さんは、ライトに比べて攻撃機会が増えたように感じた。やはり、セッターとしては背面トスでライト側にあげるより、上げやすいということもあるのだろうが、しっかりと金さんがボールを呼んでいた。

アタックのコースが甘いため、セミは相手のブロックに抑えられるケースも多かった。Aも積極的に打ち込んでいた。彼女はブロックも良いので、ライトのポジションより良いリズムを作れたのではないか。

 24-24から溝渕さんのレフトからのスパイクが相手ブロックにシャットアウトされたが、再度打ち直して25-25とすると、その後 粘って2セット目を取り返した。

溝渕さんは、今日は顔のあたりに打たれるアタックをオーバーでうまく処理できていた。公式練習でも山中先生が溝渕さんに対して、あえて顔のあたりにアタックを打って、オーバーで取らせる練習をしていた。

3セット目、2セット目の勢いを続けられるかと思いきや、松井さんのアタックがアウトになったりブロックされたり、逆に相手のレフトに決められるなど序盤でずるずると失点を重ねてしまい1-9と主導権を握られてしまった。ここから、松井さんのAクイックが豪快に決まって3-9とすると、7-16からは松井さんの5連続サービスエースが飛び出し8点差から12-16まで縮めた。今日の松井キャプテンは、サーブ、Aクイック、センターセミ、ライトセミとすべてに一皮むけたように感じた。キャプテンがプレーでチームを牽引できるとやはり強い。

その後、センターからは金さんがしっかりとブロックに入り、相手のタッチネットを誘うなど活発な動きを見せていたが、逆に八尾のフェイントや軽打が増えてコートの真ん中に落とされるボールを処理しきれなかった。Bクイックを決められて13-19とされると金さんもセンターセミで応戦して17-24となり、岡谷さんがレフトから連続ポイントを上げて19-24と追いすがったが結局敗れた。

 八尾は、絶えず1部、2部にランクするチームで最近の戦いにおいて天王寺が公式戦で1セットを取ったというのは記憶にない。3セット目も、立ち上がりの連続失点さえなければ勝てたのではないかと思う。天王寺の大技vs八尾の小技という内容だったと思う。八尾には強打がなかったので、レシーバーをもっと前でポジショニングさせるなど柔軟に対応しても良かったと思う。

2戦目の山本戦。山本が八尾をストレートで下して臨んできたので、やはり歯が立たないかと感じた。

山本の試合前の公式練習で印象的だったのは、最初は全員で監督が手でボールを上げてAクイックを打つ練習をさせた後、バックアタックの練習や2段トスの練習をさせていたこと。平均身長としては天王寺の方が勝っていたが、山本はある程度トスが乱れてもしっかりと打ち込んできた。

 山本の攻撃パターンは、レフトからのオープン、平行、センター、ライトセミ、バックアタック A、Bも時折打ってきた。フェイントもあったが、八尾に比べると両サイドからのオーソドックスな攻撃で比較的しっかりと打ち返してきたので天王寺としては守りやすかったかもしれない。天王寺は善戦した。

 1セット目中盤、岡谷さんが、センターから2段トスを決めて13-15とすると得意のサーブも決めて17-17としてしっかりとついていく。山本も八尾同様ブロックが良く、松井さんがセンターから強打したボールがブロックされ、フォローで上がったボールを軽打するも再びブロックされて18-19とされた。1年生組も活躍した。ライトから溝渕さんが決めて21-23とした後、金さんもセンターからAを仕掛け、ブロックでもしっかりと抑えにかかった。 

セッターの舞田さんは、ネット際にボールが上がるとジャンプトスで上げたり、金さんが上げたリバウンドボールがネットに近いと見るや、自身で相手コートに鋭い角度で押し込んだりして23-24まで追いすがった。強気な姿勢が良い。打てるボールならスパイクしても良いと思う。

 惜しくも1セット目は取られたが、2セット目は岡谷さんのサーブからスタートダッシュに成功した。岡谷さんが相手の前衛を狙ったサーブでレシーブを崩してチャンスをもらうと松井さんがAを仕掛けるもこれはブロック、リバウンドボールをつないで溝渕さんがレフトから決めて4-1とした。松井さんはセンターから強打して5-3とし、さらにライトからストレートに打ち抜いて7-4、溝渕さんのブロックも出て9-4としリードを広げた。

レフトから岡谷さんが今度はうまく相手ブロックに軽打を当てて12-6とすると、金さんも続いてセンターからブロックをかわして相手レシーバーが弾いて13-6とした。

金さんのセンターからのスパイクが決まるようになってきた。

その後、再び松井さんがライトからストレートを決めて16-10とした。

ここまで溝渕さんのレフトからのスパイクがアウトになったり、ブロックでシャットされたり、威力をそがれたり、あるいは拾われたりとなかなか決まらなかった。いつものガッツポーズもなかなか出ない。少し調子が悪かったかもしれない。トスに対して突っ込みすぎてジャンプするため、少しかぶり気味で強打するとアウトになってしまっていた。打ち終えた後、しりもちをつくシーンが何度も見られた。山本が試合前にやっていた様なバックアタックの練習をやることにより、前に飛んでボールを捕らえる練習も必要ではないか。パスが乱れるとどうしてもオープン主体の単調な攻撃になってしまい相手ブロックもしっかりと2枚飛んでくるが、彼女には小細工せずに強打することを期待したい。強打で決められれば小技はいつでもできる。調子をあげていくためには、たとえブロックされても、アウトになっても、拾われても、しっかりと助走して前でタイミングを合わせて強打していくことが必要。

また、セッターとしては、多少パスがみだれてもセンター、ライトにも上げることにより揺さぶりをかけていってほしい。また、早いトス回しで完全な2枚ブロックを飛ばせないことが重要。

その後、岡谷さんのレフトがブロックされて19-19とされて逆転を許し、ライトへのトスが乱れて岡谷さんが打てず21-24と追い込まれたが、松井さんがセンターから強烈に決めて23-24とまだまだやれるとアピールすると、岡谷さんの2本のサービスエースで再逆転してこのセットを奪い返してみせた。

3セット目、金さんのセンター、レフトからのスパイクもあり、序盤はしっかりとついていき、岸部さんも相手レフトアタックを1枚ブロックでシャットアウトして9-11とした。

岸部さんのガッツポーズが出た。

山本リードでコートチェンジ後も、松井さんの連続サーブポイントや金さんのレフトスパイクが決まり、17-18と離されないでついていった。後半に入ると岡谷さんのレフト、金さんのサーブ松井さんのセンターが決まり23-21と逆転。このまま行けるかと思われたが、岡谷さんからの高いパスを舞田さんが平行気味に上げたトスがネットに近すぎて岡谷さんが打てず23-23としてしまう。その後、相手が背面トスでライトに上げたボールが乱れてそのままネットを超えたボールを岡谷さんが拾えずに23-24となり、最後は、相手のボールがアンテナに当たったと判断して松井さんがプレーを中断してしまったが、認められず相手ポイントで敗れるという少し後味の悪い結果となってしまった。

 最後のプレーについては、プレーヤー自身が判断せずにあくまでもつないでほしかったが、追い込まれた展開で少し弱気になったということかもしれない。

八尾戦も、山本戦もいずれもタフな展開となったが、同レベルの相手に勝ち切ることのむずかしさを思い知らされた試合となった。天王寺も良く拾ってつないだが、八尾にしても山本にしてもブロック、レシーブ共によく、決めきれないでラリーが続いた。

天王寺はラストボールをアンダーでイージーに返球してしまう場面が多く見られたが、むしろオーバーでコントロールした速いボールで、相手の動きをよく見てネット際やコーナーに突き出す練習をもっとするべきと思った。パス力がないために、すべてにおいてアンダーを使いすぎている。

今年のチームは、いつも笑顔を絶やさないチームだが、試合後、山本に勝てなかったことがやはり悔しかったのだろう。キャプテン、セッター含め 皆 涙をこらえきれなかった。

自信に満ちた頼もしいキャプテンの姿があった。

これからもさらに強くなってくれる予感がした。

 

山中先生、鶴本コーチ 応援に駆けつけてくださいました選手の保護者の皆さま、お疲れ様でした。